ミチヤです。
バイク歴は6年くらいで、普段はセロー250とYZF-R6に乗っております。
先日下記のツイートをしました。
スーパースポーツバイクの購入はある程度の覚悟が必要です。
ハンドルが低いからUターンしにくく姿勢もきつい。積載量も限られるから、全くツーリング向きではない。
でも、そうでなければ得られない品質というものが確かに存在する。
YZF-R6に乗って、痛感しています。#yzfr6— ミチヤ (@childs_mind719) December 22, 2019
そして、このツイートに対して下記のコメントをいただきました。
はじめまして
最近バイクを買い換えたので、いろいろ検索しててたどり着きました。
自分はZX-6Rから10Rに乗り換えたのですが、正直後悔しています。
一番のネックが重量増。数字上では20キロも違わないと思いますが、乗ってみると大違いです。そうそう買い換えられないのでこの先ちょっと憂鬱です— tomo (@tomo00847680) December 22, 2019
どのモデルかわかりませんが、現行モデルですと両社の重量は以下の通りです。
- ZX-6R:197kg
- ZX-10R:206kg or 208kg(SE)
ざっくり10kgほどの違いがあるわけですね。
本記事では、バイクの重量が増えることによる影響について少しお話しようと思います。
リッターSSとミドルSSの比較についても記事を書いておりますので、そちらが気になる方は下記の記事をご参照下さい。
参考:スーパースポーツバイク、リッターSSとミドルSSの比較について考える
重量増によるバイクへの影響
バイクの重量が増すことによって、どういった影響があるでしょうか。いくつか挙げてみます。
- 直進時の安定感が増す
- 制動距離が延びる
- 切り返しが重くなる
- コーナリング中にラインを変えにくくなる
- 押す時の負担が増える
- 倒してしまった時の負担が増える
ぱっと浮かぶものでもこれくらいあります。個別に見ていきましょう。
直進時の安定感が増す
これはポジティブなポイントですね。
特に高速道路を走行する際、ひたすら真っ直ぐ走っていることが多くなるので、バイクの重量があった方が楽に走行することができます。
私の所有するYZF-R6はカタログスペックが190kgですが、横風が強めの時は煽られてしまいますね。カウルがあってもろに風を受けてしまうのもあるかもしれません。
個人的な感覚ですが、200kgを超えるか超えないかが横風に対する感じ方が変わる境目な気がしています。
高速道路に乗ってガンガン遠出される方であれば、あえて重いバイクを購入するという判断をしても良いかと思います。高速道路でふらふらすると、かなり疲れますので。
制動距離が延びる
車体が重くなれば、当然すぐに止まれなくなります。
ただ、これは走行の仕方で工夫できる範疇なので、そこまで気にするところではないでしょう。
重いバイクと言えばほとんど大型バイクと言えると思いますが、そうしたバイクには良いブレーキもついているものです。
車体が軽くても、オフロードバイクのようにブロックタイヤを履いている方が摩擦面が少なくてかえって止まりにくいですしね。体感ですが、セロー250よりYZF-R6の方が制動距離は少ないはずです。
安全な速度で走行していれば、バイクの重量が重いせいで止まれなかったなんて場面に出くわすことはないはずです。
切り返しが重くなる
個人的にはこれが一番ネガティブに感じるポイントですね。
バイクの面白さとして、曲がるというのは重要な要素です。
軽いバイクの方が簡単に曲がるので、山道などでは快適に走行することができます。ぱたぱたとバイクを寝かせて曲がっていけるのは本当に気持ちが良い。
それができなくなるのは、バイクの面白味の大部分を失うことだと感じます。
また、バイクが軽いと街中を走行する際にも煩わしさを感じることがありません。
バイクが重いと、ツーリングで観光地などに行った時に信号待ちなどでちまちまバイクを動かさなければいけなかったりすると非常にだるいです。
ただでさえ長距離を越えてきて疲労が溜まっている時に、ちまちま半クラッチで数十センチずつバイクを動かさないといけないのは本当に辛いので、できれば軽い方が良いです。
コーナリング中にラインを変えにくくなる
上記の「切り返しが重くなる」とやや重複しますが、こちらもまた違いの出るポイントですね。
本当はコーナリング中にふらふらしてはいけませんが、軽いバイクであれば不適切なラインや速度でコーナーに進入してしまった場合でも、比較的楽にリカバリーすることができます。
これは安全面でもとても大事なことです。
公道では何が落ちているかわかりませんし、路面の状況も常に違います。そして、何か異常があった時にすぐに避けられるのは、重いバイクより軽いバイクです。
ただ、これも走行の仕方でもある程度対処可能です。
コーナー手前ではしっかりと速度を落とす、マンホールの上では車体を起こすなど。
自分のスキルと相談、といったところでしょうか。
押す時の負担が増える
ちょっとしたことですが、結構大切な要素だと思います。
ツーリング先でUターンする時になったり、ツーリング先で停車していたバイクのエンジンをかける前に向きを変えたい場面は多々あるものです。
そうした際に、毎回平地なわけではありません。傾斜があったり窪みがあったりすると、意外と負担になるものです。
小さなストレスですが、ない方が良いに決まっています。
倒してしまった時の負担が増える
これはあまり考えたくないポイントですが、万が一転倒してしまった場合や、握りごけなどでバイクの引き起こしをしなくてはいけなくなった場合、車体重量が軽い方が楽なのは間違いないでしょう。
例えば、ホンダのゴールドウィングは絶対に一人では引き起こしができないと思います。ソロツーリングをするのは不安ですね。
私は元々軽いバイクが好きなので別段意識してはいないのですが、一応引き起こしが比較的楽に行えると思える200kg前後のバイクしか所有するつもりがありません。
大型のオフロードバイクには興味があるものの、実力がないのもありますが、ガレ場で引き起こしができる自信がないので、おそらく買わないでしょう。アフリカツインなど、魅力的なバイクはあるんですけどね。
乗っていて慣れることができる要因なら良いですが、物理的に辛いと感じるものはおそらく乗っても楽しいと思えないですし、段々面倒に感じてしまうものです。そうすると、バイクという趣味自体が面白くなくなってきてしまいます。
どんどん買い替えられる財力がある方は良いですが、一般的には長期保有が基本だと思うので、なるべく負担の少ないバイクを買った方が趣味としても長続きするでしょう。
バイクの重量は目的に応じて評価が変わる
バイクの重量増が与える功罪について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
個人的には、もっと重いバイクを買っておけばなぁと思ったことが一度もありません。
ですが、軽いバイクが最高で重いバイクはダメだとか全く言うつもりはありません。
私の場合、高速道路メインでガンガン遠出するわけではなく、バイクで曲がることが楽しいので、どちらかと言うと軽いバイクの方にメリットを感じる、というだけです。
強いて言えば、セロー250で高速道路を走っている時には直進性能が欲しいと思いますが、250ccのオフロードバイクなのでそれを求める方が間違っています。高速道路が安定して走れないからセロー250はダメなバイク、という評価をする方は多分いませんよね。
つまり、自身がツーリングをしたいか、どんなバイクがかっこいいと思うかなど、それぞれの目的や感性に応じたバイクを所有すれば良いということですね。
私はセロー250で手軽に林道を、YZF-R6で高性能な走行を楽しめています。
皆さんも、自分に合ったバイクで楽しくツーリングに行きましょう。