スーパースポーツバイク、リッターSSとミドルSSの比較について考える

バイク

スーパースポーツバイクの購入を考えているが、リッターかミドルか迷っている、そんな方の参考になればと思い、この記事を書いてみました。

とても難しい問題ですが、リッターSSを買う理由は以下の2つだと私は思いました。

  1. 全力でサーキット走行をしたい人
  2. 所有欲を満たしたい人

良いとか悪いとかの問題ではありません。ただ、自分が満足できるかどうかです。

バイクは趣味のものなので、それでいいんです。

この記事では、上記の考え方をふまえて、実際に私がYZF-R6を購入する際に考えたことを中心にお話していきますが、あくまでひとつの例として参考にしてみて下さい。

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リッターSSとミドルSSの比較

私がスーパースポーツの購入を考えた際、やはり高価な買い物なのでまずは試乗しないと買えないなと思ったので、可能な限り試乗をしました。

  1. ホンダ:CBR1000RR(2017)
  2. ヤマハ:YZF-R1(2017)、
  3. ヤマハ:YZF-R6(2017)
  4. スズキ:GSX-R750(2014))
  5. BMW:S1000RR(2015)
  6. トライアンフ:デイトナ675R(2014)

色々な場所を探して、上記6台のバイクに試乗できました。

ミドルクラス3台とリッタークラス3台にメーカー問わず試乗することができたので、とても参考になりましたね。

実際に試乗してみて、リッターとミドルの比較点が5つほど浮かびました。

  1. パワー
  2. 重量
  3. 設計思想
  4. 価格
  5. 使用目的

以下、個別にお話ししていきます。

パワー

200馬力あるパワーはやっぱり公道では完全に持て余すなぁというのが正直な感想です。

そりゃあ200馬力は公道では必要ないですよね。

パワーがある分、高速道路の巡航はめちゃくちゃ楽になりますが、それならもっと楽な姿勢のツアラーやアドベンチャーバイクを買えばいい話です。

たまに、「リッターSSの方が回さずに走れるからツーリングはミドルより楽」と言う方がいますが、気持ちがよくわかりません。

スポーツ走行する車両のエンジンなので、どうしても回したくなってしまいますし、バイクもそれを要求してきます。

ですが、リッターSSのエンジンを公道で味わおうと思ったら間違いなく無事では済まないですし、しかもリッターSSはそこら辺のサーキットですら持て余します。

本気でリッターSSの魅力を味わおうと思ったら、ツインリンクもてぎや富士スピードウェイのような大きなサーキットに行かなくては無理です。

私の知り合いがYZF-R1に乗っていましたが、よく行くサーキットで精々3速くらいまでしか使わないのでR1を手放して、ミドルクラスに乗り換えていました。

そのくらいリッターSSにはパワーがあります。

「いやいや、ミドルクラスだって100馬力超えているし、公道じゃ性能発揮でいないでしょ」

そう思われる方もいらっしゃると思います。

確かに性能をフルに使う場面はほとんどありませんが、ミドルクラスはまだ操れる範囲内だと感じました。

スーパースポーツを買う以上、それから味わえるパワーは購入目的のひとつです。

それなのに、リッターSSに乗っているとバイク本来の良さを味わえていないことをひしひしと感じるのです。

どうやってこのバイクの性能を引き出そうかと考えながらライディングするのは、バイクの醍醐味のひとつです。

ですが、リッターSSは本当に限られた場所でしか性能を発揮できないので、ツーリングなどの運用をしている時には常にその性能を使わないことを考えながらライディングしなければならないのです。

私には、このまま我慢して乗り続けることはできないなと感じました。

重量

これは当たり前ですが、ミドルSSの方が軽いです。

カタログ値だと10キロ程度しか違わないと思うかもしれませんが、この差が結構大きいです。

ただ、これは私の想像ですが、重量自体の違いよりも重量配分の違いが大きな要因なのではと思いました。

リッターの方がミドルよりもパワーがある分、より車体の安定感が求められるので、それを踏まえた設計がされているのだと思います。

サーキットで乗り比べたことのある方ならよくわかると思うのですが、リッターとミドルでは曲がり方がだいぶ違います。

倒しこみの時に感じる重みもだいぶ違いますね。安定感とも言えるかと思いますが、リッターの方が重さがあります。

私は元々軽いバイクが好きだったのと、SSもツーリングに使おうと思っていたので、重さを感じることがネガでした。

しかもリッターは公道ではエンジンを回せないので、ただの重いバイクになるかなという印象を持ちました。

エンジンをほとんど回せない重いバイクと、あまり回せないけど軽くてよく曲がるバイクという選択肢なら、皆さんも私と同じ選び方をするのではないでしょうか。

設計思想

リッターSSはそのエンジンのパワーを制御するために最新の設計と最高の電子制御が搭載されています。

そのせいか、私にはバイクがこちらの意図をくみ取って最適な動きを選んで走行しているように感じました。

エンジン制御だけではなく、そのパワーを受ける足回りとフレームもミドルSSとは全く異なる次元のものです。

特に差を感じたのはフレームですね。

200馬力のパワーとそのパワーから生まれるスピードに耐えるブレーキングが必要になるので、本当にしっかりとした作りになっているんだなぁという印象を受けました。

ストレートもコーナーも、あらゆる場面で安定しています。これは完全にバイク自体の性能によるものなので、ライダーの仕事をとられている感覚もありました。

何もしなくてもバイクが勝手にやってくれるので楽なのは間違いないですし、快適にも感じます。

色々なインプレ動画などを見ていても「最新のリッターSSは下手でもある程度のタイムが出せる」「上手くなったと思わせてくれる」なんていうコメントが見受けられましたが、本当だと思います。

余談ですが、S1000RRに試乗した時に全日本経験者のディーラーさんにこんなことを言われました。

「このバイクは吊るしのままで全日本出てもそこそこ行ける」

それが良いか悪いかは本当に好みの問題ですね。私は少し面白くないかな、という気持ちの方が強くなりました。

R6の方がライダーに対しての要求が多い印象があり、それに面白みを感じました。

価格

何より大きいのが車両価格ですね。リッターSSは基本的に200万円を超える価格帯です。

買う順番としては、最初にリッターSSを買った方が下取り価格に期待できるので、先にリッターSSを買った方が良いかな、という気持ちが強かったです。

ですが、例えばYZF-R1とYZF-R6で得られるものの違いと価格差を考えた時、R6より大きな出費をしてR1を買うメリットが感じられませんでした。

R1が乗り出しで240万、R6が170万だったとして、差額は70万円です。

その差額を上乗せして高性能なバイクを買うよりも、その分のウェアやバイク用品を充実させた方が、バイクという趣味全体の満足感は高まるように思えたのです。

それだけ差額があれば、サーキットの準備もできますしね。

もちろん、あの狂気じみた加速感を手に入れたいと思うなら、それはそれで問題ありません。大事なことはそのお金を使って得られるものをきちんと考えることです。

お金自体はリッターSSを買うことも考えて十分な貯金をしていました。

でも、私はサーキットだけでなくツーリングなどにもスーパースポーツバイクを使う予定だったので、リッターSSは不要かな、という結論に達しました。

やはり、リッターSSはサーキットメインで走行する人向けのバイクだと思います。

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リッターSSは良くも悪くもハイクオリティ

いかがでしたでしょうか。

私はYZF-R6を買ったので、やはりどちらかと言えばミドルクラスの方が好きです。

なので、記事の内容もリッターにネガを感じることが多いような方向になっていますが、決してリッターを貶したいわけではありません。私の好みと生活環境だとリッターは合わない、というだけの話です。

もしかしたら、今後リッターSSが欲しくなることもあるかもしれません。

リッターSSは本当に凄いバイクしかないですよ。どれを買っても大きな外れはないでしょう。

あなたに合ったバイクを見つける手助けができたなら幸いです。