こんにちは、ミチヤです。
本記事は以下の方向けの記事になります。
- 最近免許を取った方
- バイクに乗り始めてしばらく経つけどもう少しうまくなりたい方
かくいう私はバイクの免許を取得して6年が過ぎ、とりあえず一人立ちはできているかなと思います。
そんな私が駆け出しの頃にどんなことを意識してバイクに乗っていたのかということをまとめました。
特別な技術や訓練は必要なく、日頃バイクに乗っている時にできることなので、よろしければ参考にして下さい。
バイクを操作する技術の磨き方
ライディングスキルとかライディングテクニックとかいうと大袈裟に聞こえますが、要するにバイクの乗り方です。
ライテクを磨こうと思うと、スクールに通った方が良いのかな、なんて思いがちですが、ツーリングを快適にするくらいの技術なら独学で全く問題ありません。
ちょっと極端な例ですが、ウィリーできるからって必ずしも公道で安全に走行できるわけではないですよね。
もちろん、経験値の高い方に見てもらえるのは良いことですので、時間やお金と相談してスクールに通ってみるのも良いかと思います。
私が意識して練習をしたのは以下の3つです。
- クラッチ操作
- ギア選択
- ブレーキング
以下で、詳しく見ていきましょう。
クラッチ操作
まずはこれができないと始まりませんね。
バイク操作の基本ですが、とても大切な技術です。
公道では発進と停止を必ずしなくてはいけないので、その都度クラッチ操作を行わなければいけません。
ツーリング中だとUターンが必要な時がありますが、そういう場面でも大切な操作です。
クラッチ操作を無心でできるようになったかどうかが、脱初心者の判断基準でしょう。
練習の仕方としては、アイドリング発進がおすすめです。
アクセルを一切開けずに、発進と停止を繰り返しましょう。
クラッチをどの位置でどのくらい繋ぐとバイクがこのくらい動く、あるいは動かないということをしっかりと理解することが大切です。
クラッチをどのくらいの早さで繋ぐといいかという感覚も大切ですね。
同様に、どのくらいの速度でクラッチを切らないとエンストするか、ということも理解しておきましょう。
エンストが怖いと早めにクラッチを切ってしまいますが、それはあまりよくありません。
クラッチを切ると、エンジンとタイヤの力がお互いに伝わらなくなってしまうので、推奨できない場合が多いです。
また、下が薄くてアイドリング発進できない、というバイクのインプレを見かけることがありますが、市販されているバイクならアイドリング発進可能だと思います。
例えば、下が薄いとよく言われているYZF-R6でも可能です。
所有している私ができるので、間違いないはずです。
確かに可能というだけで通常の発進に必要な速度は出ないので、そういった意味ではできないと言えるかもしれません。
しかし、ここではクラッチ操作の感覚を身に付けるトレーニングとしてアイドリング発進をしたいだけなので、速度は気にしないようにしましょう。
慣れると、左手が勝手にクラッチ操作をしてくれます。
エンストしても車体が傾いていなければ転倒することはほとんどないので、臆せず練習してみましょう。
正しいギア選択をする
常に必要なことですが、特にコーナーにスムーズに進入したい時に必要な技術ですね。
もちろん、直線でも高いギアのままでだらだらと減速していくと、いざ加速しようという時に適切な速度が出せない場面があります。
ですが、コーナーでは車体を傾けるので直線より転倒のリスクがあり、より正確な操作が必要になってきますね。
何をもって正しいとするのかは難しいところですが、スムーズな加速ができる状態かどうかというのはひとつの指標になるかと思います。
練習方法というかギアの理解の仕方としては、1速から6速のギアで同じ速度で走ってみるのが有効です。
もし安全な場所が用意できれば、各ギアで可能な限り広い速度帯で走行してみるのが良いでしょう。
当然、法的にも問題ない速度であることは絶対条件です。
これで何が理解できるのかと言うと、各ギアの担当する速度です。
例えば、レブ8000回転のバイクで60km/hを出してみたとします。
60km/h出すのに1速だと7000回転、6速だと2000回転だとして、どちらが正しいでしょうか。
一目瞭然ですね。1速だとエンジンを回しすぎています。
ですので、この場合の正しいギアは6速ということになります。
数字は適当ですが、言いたいことはわかっていただけるかと思います。
実際にバイクに乗ってみてこうした数字で理解するのも大切ですが、走行中にいちいち回転数を見ながら走っていたらとても危険です。
なので、最終的にはエンジンの音を頼りにシフトチェンジできるようになりましょう。
正直なところ、私はエンジン音で何となくシフトチェンジしていることが多いです。
例えば、シフトアップのタイミングを決める時に、エンジン音が大きいなと思ったらギアを上げていくイメージです。
ギア選択のミスは以下の2つですが、それぞれデメリットがあります。
- 高いギアが正しいのに、低いギアのまま
- 低いギアが正しいのに、高いギアのまま
詳しく見ていきましょう。
高いギアが正しいのに、低いギアのまま
例えば、高速道路でずっと2速で走り続けるとか、そういう状態ですね。
このパターンで走行を続ける時のデメリットですが、ざっくり言うと3つです。
- 燃費が悪くなる
- エンジンに負荷がかかる
- うるさい
一応、走行するだけなら問題はありません。
ただ、低速ギアで速度を出すとエンジンの回転数が上がるので、結果として燃費が悪くなりエンジンにも負担がかかります。
そして何よりよくないなのが、排気音が大きくなることです。
周囲に誰もいない状況やサーキットなど専用の場所なら、エンジン音を楽しんでいるとも性能を引き出しているとも言えますが、公道でやたらとエンジンを回すのは周囲にとって迷惑なだけです。
これは自分だけの問題ではなく、他のライダーも非難されることにも繋がるので、絶対にやめて欲しいですね。
低いギアが正しいのに、高いギアのまま
ちょっとした渋滞で6速のまま30キロで巡航などのパターンです。
このパターンで走行を続ける時のデメリットですが、ざっくり言うと2つです。
- クラッチやギアに負荷がかかる
- エンストする可能性がある
力がない高いギアを低速域で使用するというのは、無理矢理重い物を持たせられているようなもので、とてもストレスのかかる状態なため好ましくありません。
高いギアのまま加速しようとして車体がガクガクした経験はどんなライダーにもあるかと思いますが、できれば避けたい状態ですね。
また、そういった場面だとエンストの恐れがありますし、最悪その勢いで転倒してしまうこともあるでしょう。
高いギアのままだとすぐに加速して逃げられませんからね。
雑な考え方になりますが、周囲の状況によって巡航速度が落ちてきたらとりあえずギアは下げておけば大抵の走行状況に対応できるでしょう。
余談ですが、シフトチェンジが面倒なだなと思う場合には、バイクによってクラッチ操作を省略できる装備があります。
オートブリッパー、クイックシフターなどと呼ばれています。
こちらの記事で紹介していますので、参考にして下さい。
ブレーキの性能を確認する
最近はABS標準装備のバイクばかりなので、タイヤがロックする心配はありません。
なので、公道においてブレーキングにそこまで神経質にならなくて良いかもしれません。
ブレーキに関して理解しておきたいのは、その性能です。
要するに、制動距離を確認しておこうということです。
教習所で急制動をやったと思いますが、公道でもパッと停まらなければいけない場面が出てきます。
そういった場面に出くわさないように走行するのが理想ですが、教習所の外には車や歩行者がいるので、仕方がない部分もあります。
特に気を付けたいのが、車が飛び出してくるケースですね。
バイクは小さいため、相手にこちらの速度が伝わりにくいからです。
教習所では40km/hほどの速度での急制動ですが、公道ではより速度が出ている場合がありますよね。
そういった場面でも慌てずに減速できるように準備しておきたいです。
方法としては、やはり実際に急制動をやってみるのが一番でしょう。
ABSが装備されているバイクなら、全力でブレーキをかけても転倒することはないはずなので、思い切りやってみましょう。
ジャックナイフになるような性能のブレーキは一部のバイクにしか装備されていないので、そういった心配も必要ありません。
この速度だとこのくらいのGがかかるとか、大体このくらいの感覚で停まれる、という理解をしておけば、どのくらい巡航速度が安全かという指標にもなります。
ブレーキングに関してはもっと複雑なテクニックがあるのですが、そういった内容は後述する本を参考にしていただければと思います。
座学も必要
ライディングスキルを向上しようと思ったら、基本的には練習あるのみです。
ですが、闇雲にバイクに乗れば良いというものでもありません。
どんな技術でもそうだと思いますが、ある程度のレベルに行こうと思ったら知識が必要になってきます。
それはバイクでも同じことは言えます。PDCAとかに似ているかもしれませんね。
勉強する→実践する→検証する→再実践する、みたいな感じです。
当然ですが、バイクの挙動は物理の法則が複雑に関係しているので、突き詰めていくと本当に難しいです。
なので、少し知識があるとライディングスキル向上に大きく役に立ちます。
また、「よくわからないけど、こう操作すると良い感じ」というだけでは、やはり限界がありますし危ないですから、正しい知識を身に付けることは安全にも繋がります。
そこで参考になるのがこちらです。
有名な本ですが、つじ つかさ氏のベストライディングの探求です。
少々古い本ですが、とても参考になりました。
現在のバイクの性能はこの本が書かれた時代とは大きく異なりますが、物理法則はいくら時が経っても変わりません。
そういった少々理系的な話が書いてある本です。
ですが、数式が出てくるようなことはありませんし、挿絵も豊富にあるのでそんなに難しくはありません。
この本を読めば、「今こういう操作をしたから、バイクはこういう動きをしたんだな」というのが理屈でわかってきます。
そうすると、どこまでが適切な操作なのか、どうすると危険なのか、という点について理解が進むので、より安全な走行に繋がります。
また、何となくでバイクに乗るよりも、自分でコントロールしてる感覚を味わえるので、ライディングも楽しくなってきますよ。
自信を持ってツーリングに行こう
せっかくバイクを買ったのだから、気兼ねなくバイクに乗りたいですよね。
出かける度に何かしらの不安があったら、どんどんバイクに乗らなくなってしまいます。
そのためにも、バイクに乗る技術を身に付けて存分にバイクのある生活を楽しみたいものです。
ライディングスキルはサーキットを走る人だけのものではありません。
例えば、公道に潜むブラインドコーナーの手前では速度を落とす、なんていうこともライディングスキルのひとつだと思います。
楽しむ手段、身を守る方法としても、バイクに乗る技術を向上させていきたいですね。